Gibson SG Special ('67)

 Gibson SG Special
 Body:Mahogany
 Neck:Mahogany
 Fingerboard:Rosewood

 

Gibsonで一番好きなギターはSG Specialです。

 

ハムバッカーよりもP-90の方が好みなことと、何と言っても60年代後半のピート・タウンゼントがかっこいいということに尽きます。

 

SGを使用するギタリストというと他にAC/DCのアンガス・ヤングやBLACK SABBATHのトニー・アイオミが思い浮かびますが、どちらもハムバッカーのSG。

スペシャルを使っている有名なギタリストって他にいるでしょうか?(ピートも今はストラトですし)

 

SG Specialはスチューデントモデルという位置付けで、Standardからヘッドや指板のインレイを省いたルックスを持つギターです。

Standardのピックアップがハムバッカー2基なのに対し、SpecialはP-90を2基搭載しています。(Jrはリアのみの1基)

 

ただし、これは60年代のSG Specialの話で、一部の復刻モデル等を除き、現在のSG Specialはハムバッカーを搭載したSG Standardの廉価版という位置付けになっています。(これが検索などする際に非常に分かりにくくて困ります…)

 

ここでは、主に60年代のSG Specialについて触れたいと思います。

 

SGは61年にレスポールの後継モデルとして登場しました。

当初はロッドカバーにLes Paulと記載されていたものの、レス・ポール氏はSGのデザインを好まなかったそうでエンドース契約は終了し、現在のSGモデルとなります。

 

フェンダーと同じく65年頃には指板材がブラジリアンローズからインディアンローズへ変わり、66年半ばにスモールピックガード仕様からラージピックガード仕様へ変わります。

個人的には、StandardとSpecialはラージピックガードが、Jrはスモールピックガードが好みです。

 

69年後半にはネックが3ピースになります。

そして、70年後半に大きくモデルチェンジをしてしまします。

 

ピート・タウンゼントがSG Specialを使用するようになったのは68年頃からですが、主に66年後半〜70年前半のものを使用していたようです。

 

2000年にCustom Shopとレギュラーラインの両方からPete Townshend SG Specialというシグネチャーモデルが限定で発売されました。(P-90ピックアップ、ラージピックガード、マホガニー1Pネック)

 

自分が最初に手に入れたSG Specialは、このレギュラーラインのピート・タウンゼントモデルでした。

 

シグネチャーではないけれどルックスが似ているSG Classicというモデルもあったのですが、そちらはマホガニー2Pボディなのに対してPete Townshend SGはマホガニー1Pボディ。

他にもブリッジ・テイルピースやペグが異なります。

 

また、2012年にはGibson 50周年記念モデルとして新たなPete Townshend SGが発売されたのですが、何故かホワイトフィニッシュにスモールピックガードというあまり本人使用のイメージがない仕様でした。(そのタイプを使用している写真がないわけではありませんが…)

 

さて話を戻して、マイファーストSGであるPete Townshend SG Specialは、確か2001年製でした。

 

ルックスは文句なしにかっこいい。

音はわりとブーミーで鼻の詰まった、要はちょっと抜けの悪い音でした。

 

でも、ダメな音だったわけではありません。

それはそれで魅力でしたし、P-90のSGってそういう音なんだろうと思っていました。

 

ただ、ひとつだけ残念だったのは、ボリュームを絞ってもあまり綺麗なクリーンにならなかったこと。

 

自分のSG Specialのイメージは、The WhoのライブのPinball Wizardでの、まるでアコースティックギターのようなクリーントーンと激しいディストーションサウンドの2面性だったため、そこが一番イメージと異なるところでした。

 

そう考えていたら、今回取り上げた67年製のSG Specialと出逢ってしまいました。

 

このギターはかなりボロボロで、後述しますがボディに大きな亀裂を修理した痕が残っているようなギターでした。

そのため、どうやら長く売れ残っていたようで、見つけたときには売り出された当初より10万以上値が下がっていたようです。

 

試奏してみると、Pete Townshend SGとは全然違う抜けの良いディストーションサウンド。

そしてボリュームを絞ると一転、キラキラしたクリーントーンに。

 

完全にノックアウトされてしまい、Pete Townshend SGを手放せば差額はそう大きくなかったため、購入を決意しました。

 

ギブソンのギターはネックがマホガニーでヘッドに角度が付いているためネック折れは珍しくありませんが、このギターはボディ割れ。

どう考えても、スタンドに立てかけていたものを誤って倒したのではなく、ネックを持ってボディの表側から床に叩きつけなければこうはならないだろうという傷痕です。

 

ですので自分は勝手に、このギターはかつてピート・タウンゼントが使用しステージで叩き壊したものを、誰かが譲り受けてリペアしたものなのだと思うことにしました。

どうです、ロマンがありませんか?時代考証的には全然おかしくありません。

 

見た目はボロボロですが、幸いプレイコンディションは問題ありません。

ペグやブリッジはヘタっておりチューニングが狂いやすいため、実用性を考えてナットも含め交換を検討しています。

 

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東海楽器のこと

流石にここまで一気に書き上げてきたため、小休止してやや頻度を落としています。

 

すでに紹介したとおり、自分は東海楽器製のギターを4本持っています。
3本はアコースティックギター(Cat's Eyes)、1本はエレクトリックギター(Love Rock)です。

 

どちらも、マーティンコピー及びレスポールコピーとして今でも評価の高いシリーズです。

 

以前も話題にしたように、所謂ジャパンヴィンテージというのは、ほとんどがアメリカのメーカーのコピーモデルです。

 

例えばレスポールであれば、当時TokaiのLove RockシリーズとGrecoのSuper Realシリーズがしのぎを削っていたと聞いています。(リアルタイムでは体験していないためあくまで伝聞です)

 

もしかしたら、コピーの出来栄えを競うのは、楽器作りの本質ではないだろうと思う方もいるかもしれません。

 

しかし、当時の日本の楽器メーカーが、古いマーティンや古いギブソンあるいはフェンダーを参考に、同じくらい良い楽器を作ろうと真剣だったこと、そして当時迷走していた本家を隙あらば品質で食ってしまおうと考えていたことは確かだと感じます。

 

そんな日本の楽器メーカーの中でも東海楽器に特に思い入れがあるのは、この会社が他のどこよりも本気だったように感じるからです。

 

当時の東海楽器のカタログには、販売中のモデルの紹介だけでなく、ギターを作る上でのこだわりが紙面にびっしりと書かれており、それを見れば自分の言いたいことは分かってもらえるはずです。

 

例えば、81年のFlat Top Series(フェンダー系)のカタログでは、写真付きのモデル紹介が6ページなのに対して、スペックの詳細や採用しているハードウェア、木工について8ページを割いています。
手書きで正直読みやすいとは言えないのですが、作り手の情熱が迸っています。

 

数あるジャパンヴィンテージの中でも、近年とりわけトーカイの評価が高く、物によってはかなり高騰しているのは、それだけの拘りを持って作り出された楽器だからではないかと思うのです。

 

一部の過剰すぎるプレミア価格に対しては疑問もありますが、その分しっかりと後世に受け継がれていくことを願っています。

 

最後に、現在の東海楽器についても。


先日、クロサワ楽器オーダーモデルの現行Love Rockを弾く機会がありました。
東海楽器らしい作りの良さを感じられるギターで、音のレンジが広くクリーントーンが絶品でした。

 

おそらく当時の職人さんはほとんど残っていないのでしょうが、クラフトマンシップはしっかりと受け継がれているようです。

 

クオリティの高いレスポールを探している方、古いトーカイはもちろん良いのですが、現在のトーカイも検討してみてはいかがでしょうか?
 

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Tokai LS-120 ('81)

 Tokai LS-120
 Top:Maple
 Back:Mahogany
 Neck:Mahogany
 Fingerboard:Rosewood

 

GibsonのLes Paulがエレクトリックギターを代表する存在だということに異論のある人はいないでしょう。

 

レスポールは、ギタリストであるレス・ポール氏のシグネチャーモデルとして52年に登場しました。


初期の仕様はゴールドトップにP90ピックアップでしたが、やはり一番有名なのはサンバーストフィニッシュにハムバッカー(P.A.F)を搭載した通称バーストでしょう。

 

バーストは58年から60年のわずか3年間しか生産されず、売り上げ低迷のためレスポール自体の生産が打ち切られ、SGモデルへ移行します。生産台数は1700本ほどだったそうです。

 

その後、エリック・クラプトンやジミー・ペイジらの影響によりレスポールの人気が上がったことで、68年からレスポールの再生産が始まります。

 

しかし、ラインナップされたのはゴールドトップ+P90のスタンダードと、ブラックフィニッシュ+ハムバッカーのカスタムであり、サンバーストは復刻されませんでした。(どうやらダークバースト+ハムバッカーも少数あったようです)

 

70年にチェリーサンバーストのレスポールが登場したものの、ハムバッカーではなくミニハムバッカーを搭載したデラックスモデルでした。(ここでもショップオーダーでごく少数チェリーサンバースト+ハムバッカーのモデルがあったとか)

 

ネックが3ピースになったり、メイプルになったり、ボディがパンケーキ構造になったり、トップのメイプルが3Pになったりと紆余曲折を経て、ようやくオリジナルに近い形でバーストが復刻されたのは80年のHeritage80でした。

これはネックこそ3Pマホガニーでしたが、トップにセンター合わせのフレイムメイプルが採用されたモデルでした。

 

82年頃からLeo's Vintageなどショップオーダーによる1ピースマホガニーのモデルが現れ、80年代末期にはようやくレギュラーでも1ピースマホガニーのものが出回るようになります。

 

93年にはカスタムショップが設立され、本格的にバーストのリイシューが始まり、レギュラーモデルにもスタンダードに加えて60sスリムネックを採用したクラシックなどが登場します。

 

以上からわかるように、60年を除いて60年代, 70年代にはマホガニーネックにハムバッカーを持つサンバーストのレスポールは存在しないのです。

バーストと同スペックのレスポールを手に入れたいと思ったら、オリジナル以外には80年代のショップオーダーか90年以降のモデルしか選択肢がありません。

 

これが、オリジナルバーストが神格化されている理由です。

 

そんなレスポール不毛の70年代〜80年代にかけて、本家がやらないならうちがやるとばかりに、日本のメーカーがこぞってバーストのコピーモデルを製作しました。

 

中でも、TokaiのLSシリーズは特に評価の高いモデルです。

 

78年に登場したLSシリーズは、当初はヘッドにLes Paul Rebornという文字がありました。
まさに、バーストのレスポールを現代に蘇らせるという気概があったのだと思います。

 

流石にこれはまずかったのか、80年にはReborn Oldに、そして81年には現在まで続くLove Rock Modelとなります。

 

LS-120は、レギュラーラインナップの最上位に位置付けられていた機種です。(さらに上位の150と200は受注生産)

 

120のトップは無垢なのか貼りトラ(トラ目の薄いメイプルをラミネイトしたもの)なのかということがよく話題になるのですが、80年まではカタログに記載されているのは100, 150, 200のみで120は存在せず。(ただし、何故か現物は見かけるのですが…)、81年はカタログ上はラミネイト、82年はカタログ上は無垢、と同じグレードでも時期によって異なる記載となっています。

 

この時代の国産ギターはカタログ外スペックも多く、ラミネイトの場合でも非常に精巧なため、ショップやオークションの記載も眉唾で見ておいた方が良いのかなと個人的には思っています。(カタログと全然違うことを言っているサイトも少なくありません)

 

うちの個体は、81年製なのでおそらくラミネイトでしょう。
いずれにしてもこのギターのトラ目は入り方が派手すぎず程よい加減で、見る角度によって様々に表情を変えてくれます。

 

ピックアップはフロント・リアともにDimazioのPAF(DP103)が載っています。

 

レスポールというと歪みやすいハムバッカーでハードロック向けというイメージを勝手に持っていたのですが、クリーントーンも甘い音色で、なるほど元々レス・ポール氏のシグネチャーモデルなだけあるなと感心しました。

ストラトからエレキを弾き始めた人間なため、まだまだ使いこなせていないというのが正直なところなのですが、少しずつ理解していきたいと思っています。

 

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Cat's Eyes CE-1200TW ('81)

 Cat's Eyes CE-1200TW
 Top:Solid Spruce
 Back&Side:Rosewood
 Neck:Mahogany
 Fingerboard:Ebony

 

記念すべき10本目もCat's Eyesです。
ほんと、好きなんですキャッツアイ。

 

CE-1200TWは12弦ギターで、Martin D12-45のコピーモデルです。

 

12弦ギタープレイヤーというと、自分はまずByrdsのロジャー・マッギンを思い浮かべます。

 

遡ると12弦ギターの歴史は結構長く、ブルースマンのブラインド・ウィリー・マクテルやレッド・ベリーらから、ブルースやフォークシーンに脈々と受け継がれているようです。

 

そもそもルネサンスギターやバロックギターなど、単弦よりも複弦の楽器の方が歴史的により源流に近いのですから、12弦ギターの方がよりプリミティブな楽器だと言えるかもしれません。

 

複弦による倍音の多さ、わずかなピッチのずれによって生じるナチュラルなコーラスなど、12弦ギターにしか出せないサウンドはとても魅力的です。

 

しかし、現在においてはそこまでメジャーな楽器とは言えず、6弦と比べて圧倒的に選択肢が少ないのは残念です。

 

オリジナルのMartin D12-45なんて、現物を見たことはありません。
そもそも何本作られているのでしょうか?

 

ロジャー・マッギンモデルとして、D12-42RMというものもあるのですが、こちらも見かけたことはありません。

 

そんなオリジナルが希少な40番台の12弦ですから、このキャッツアイのモデルは貴重な存在です。

 

当時のキャッツアイには、1200の他にも600や350もラインナップされていました。(その2つはアバロンインレイがないD12-28モデル)


ひとつ残念なのは、一番グレードの高い1200であっても、サイド・バックが合板であることです。

一応、83年にモデルチェンジした際にラインナップされたTCM120TWがカタログにはサイド・バックも単板と記載されているのですが、実物を見たことがありません。

 

おそらくそのモデルが生産されたのはわずか2年ほどでしょうし、CE-1200TWもスタートが80年以降なため、キャッツアイの12弦ギター自体がそこまで玉数が多いわけではありません。

 

では、合板だからイマイチなのかというとまったくそんなことはありません。
このギターめちゃくちゃ鳴ります。
鳴りすぎるのを抑えるために合板で良いのかもしれないと思うくらいです。

 

40番台のコピーなので、ヘッドや指板、ボディにアバロンインレイが入っており、貫禄のあるルックスです。

ただし、CE-2500ではサイド・バックにもちゃんとアバロンが使われているのに対して、CE-1200TWではサイド・バックはイミテーションです。

 

アバロンインレイは、近年ではラミネートが主流なのですが、この年代はソリッドのアバロンが使われています。

ラミネートは、ぱっと見の輝きはソリッドよりもあるのですが、それが人工的に感じられてやや苦手です。

残念ながら、現在では本家D-45でもラミネートのアバロンが使われています。

 

L.R.BaggsのAnthemを取り付けエレアコ化したので、12弦ギターはこういう曲でないとという型にはめずに、弾き語りでもバシバシ活用したいと思っています。

 

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ロマン

ここまで9本のギター(ベース)について書いてきましたので、次が記念すべき10本目です。

 

しかし、文章だけ読むとどう見てもただのスペック厨ですね。
いや、確かに薀蓄が好きであることは否定しません。

 

ヴィンテージギター(ベース)とか、ジャパンヴィンテージとか、ブラジリアンローズウッドとか大好きです。

ただ、だから新しいギターはダメだとか、中国製はダメだとか、インディアンローズじゃダメだとかいう風には思っていません。

 

友人の中国製ギルドはしっかりと鳴る良いギターですし、別の友人のフォルヒは新品でも良い音してます。

良い音のする楽器は、新しい古いや製造国を問わずそれこそ無数にあるはずだと思います。

 

出てくる音がすべてだ、とか、その楽器でどんな演奏をするかに意味があるんだ、というのは100%その通りです。

 

それでも、ヴィンテージや特定の楽器を求めてしまうのは、何度も書いていますがそこにロマンを感じるからです。

 

そのモデルが作られた歴史、それを弾いたミュージシャンのエピソード、そして手元にやって来た一本が辿ってきただろう歴史。

星の数ほどある楽器の中で、その一本に惹かれるのには様々な理由があります。

 

問題は、どんな楽器にも歴史があり物語があるということ。
だから、ふとしたきっかけで今まで興味のなかった楽器の魅力に気付いたりします。

 

これでギターを買うのは打ち止め、なんて言う人が大抵そうならないのは、そんな理由ではないかと思います。

 

これはもう恋愛のようなものだなと思うのですが、そうだとすると何股もしていることになるわけで、つくづく楽器が楽器で良かったです。

 

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Cat's Eyes CE-2500 ('82)

 Cat's Eyes CE-2500
 Top:Solid Yezo Spruce
 Back&Side:Solid Indian(?) Rosewood
 Neck:Mahogany
 Fingerboard:Ebony

 

前回に引き続きCat's Eyesです。

 

前回、プリウォーD-45モデルのCE-2500は厳密には完全再現ではなかったと書きました。
では、プリウォーマーティンのD-45のスペックはどのようなものだったのでしょうか。

 

プリウォーのD-45も時期によってスペックが異なり、一括りにはできませんが、おそらく東海楽器が参考にしただろうモデルの特徴的なスペックは以下の通りです。

 

・トーチインレイ(ヘッド)
・スノーフレークスインレイ(指板)
・スキャロップドのフォワードシフテッドXブレーシング
・ロングサドル

 

このうち、CE-2500は、ブレーシングとサドルに関しては、当時のマーティンのスペック(ノンスキャロップドのスタンダードXブレーシングとノーマルサドル)を採用しています。
これが、完全再現ではないという理由です。

 

カタログ上でプリウォーD-45モデルを謳いながら、何故このスペックを採用しなかったのかは謎です。

 

もしかしたら、現物を見たことがなくブレーシングについては分からなかったのかもしれませんが、ロングサドルは66年まで採用されていたので知らなかったということはないような気がします。

 

スノーフレークスインレイは12フレットが猫の目のような形をしており、これがキャッツアイの名前の由来となっています。

 

CEシリーズは12フレットのポジションマークがすべてキャッツアイになっており、ブランドのトレードマークと言えます。(これが、マーティンの◯◯モデルのコピーではないという理由のひとつです)

 

CE-2500はシリーズの最上位機種であり、フラッグシップモデルでした。(ただし、80年頃から3000も登場します)

 

スペックは時期によって若干異なるのですが、基本的に以下の通りです。

 

・トップはスプルース単板またはエゾ松単板
・サイド&バックはハカランダ単板またはローズ単板
・ネックはマホガニー
・指板、ブリッジはエボニー
・ヘッド、指板、ロゼットのインレイはメキシコ貝

 

サイド&バックは、80年まではハカランダ単板、81年からはハカランダ単板またはローズ単板とカタログに記載してあります。

 

ハカランダとは基本的にはブラジリアンローズウッドのことです。

D-35の記事で取り上げたように、材の不足からマーティンは70年には使用を止めてインディアンローズに移行しましたが、国産ギターには80年くらいまではハカランダが使われていました。

 

一部の古い国産アコースティックギターは、このハカランダのせいで中古市場価格が当時定価を大きく上回ることもあります。

 

しかし、このハカランダという表記の仕方が問題です。
ハカランダというのは、厳密に言うとブラジリアンローズウッドだけを指すのではなく、それを含む中南米産のローズウッドを指す通称なのだそうです。

 

ですから、ブラジリアンローズウッド以外にも、ココボロやホンジュラスローズウッドなどもハカランダと言えるのです。(ギター業界ではこのあたりをニューハカランダという名称で区別することもあるようですが)

 

マーティンはギターの材にハカランダという名称を用いてはいないはずです。
何故、日本のギターブランドはブラジリアンローズウッドではなくハカランダという名称を用いたのでしょうか。

 

果たして、70年代の国産アコースティックギターのハカランダはすべてブラジリアンローズウッドだったのでしょうか?

 

もう一つ、この時期に日本で使われているハカランダは板目のものがほとんどです。


ギターに使われる木材は元々柾目が多く、よく聞く「ハカランダの板目はワイルドで魅力」という話は、材が少なく板目を使わざるを得ない状況になって出てきた話だと思います。(これは柾目と板目の材の良し悪しとは別の話です)

 

そんな理由もあり、個人的には70年代の国産ギターのハカランダにはあまり良い印象がありません。

 

実際に80年以前のハカランダが使われているCE-2000を弾いたことがあるのですが、鈴鳴りではあるものの音が硬く冷たいように感じられてあまり好みではありませんでした。(勿論、個体差や個人の好みはあります)

 

このCE-2500は82年製で、サイド&バックはインディアンローズウッドだと思います。
トップは見た感じスプルースではなくおそらくエゾ松です。

 

そして、ここがポイントなのですが、スキャロップドブレーシングとロングサドル仕様になっています。

 

実は当時のキャッツアイはカスタムオーダーも多かったようで、オプションにも柔軟に対応してくれたようです。

 

このギターはそんなカスタムオーダー品で、よりプリウォーD-45のスペックに近づけたものということになります。

 

ただし、いつもお世話になっているアンフィニカスタムワークスに調整に出した際に伺った話では、ブレーシングのスキャロップはマーティンのものとはちょっと違うそうです。

 

ドレッドノートらしく低音がしっかり響き、高音の煌びやかさもあります。

 

狙っている音が違うということもありますが、前回のTCM-60と弾き比べるとやはり上位機種なだけあるなと感じます。

 

本家D-45の代用になるとは言いませんが、D-45ライクなギターとして、ルックスも音の面でも東海楽器の技術が詰まったクオリティの高いギターです。

 

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Cat's Eyes TCM60 ('83)

 Cat's Eyes TCM60
 Top:Solid Spruce
 Back&Side:Indian Rosewood
 Neck:Mahogany
 Fingerboard:Rosewood

 

ジャパンヴィンテージという言葉が使われるようになったのはいつ頃からなのでしょうか。

 

少なくとも、自分がギターを弾くようになった00年代頭にはもうすでにその言葉が存在していたことは確かです。

 

ジャパンヴィンテージとは、主に70年代〜80年代中頃までの国産ギターを指します。

 

この時代、アコースティックギターで言えばYamaha, Morris, Headway, K.Yairiのような今でも有名なメーカーや、今では見なくなってしまったYamaki, S.Yairi, Tama, ThreeS, Jumbo, Rider, Blue Bell, The Kasuga, Jagard, Master, Thumb, Morales, K.Country, Westone, Yasuma, Tomson, Mountain, Zen-onなど、書ききれないくらいたくさんのブランドがありました。

 

1ドルが250円〜300円、大卒初任給が現在の価値に換算しても15万に届かないような時代だったため、Martinなどの海外製のギターは高嶺の花だったそうです。(当時のD-28の定価は35万程度)

 

そのため、いつかはマーティンと思いながらも、まず国産のギターを手にする人が多かったわけです。(当時の国産アコースティックギターの主流はマーティンのコピーモデルでした)

 

ですから、ジャパンヴィンテージというのは、本来はリーズナブルなわりには作りが良いという意味で、「本家を超えるクオリティ」といった宣伝をしている人がいたらそれは誇大広告ではないかと個人的には思います。

 

勿論、特定のジャパンヴィンテージのギターと特定の本家のギターを弾き比べたら前者の方が(好みとして)良かったということはあり得ますが。

 

このようなことを書くと、自分がジャパンヴィンテージを否定しているように見えるかもしれませんが、むしろ大好きです。

 

当時の日本のギターメーカーが本気で本家のギターと同じクオリティのものを作ろうと研究・開発していたのは確かだと思いますし、実際に作りの良いものが多い印象があります。


また、発展途上だからこその熱気を感じられるという意味で、ジャパンヴィンテージにはロマンがあるのです。

 

そんな数ある国産アコースティックギターの中で、自分が一番好きなのはCat's Eyes(キャッツアイ)です。

 

Cat's Eyesは東海楽器のアコースティックギターブランドで、75年から生産・販売をスタートしました。

 

当時、東海楽器はマーティンの日本国内総代理店でもあり、技術提携もしていたため、Cat's Eyesは満を持して登場したマーティンライクなギターでした。

 

面白いのは、82年頃までのCat's Eyesは一部のモデルを除くと、マーティンの◯◯(モデル名)のコピーというよりは、オールドマーティンのテイストのあるギターという位置付けだったことです。

プリウォーD-45モデルだったCE-2500も、厳密には完全再現ではありませんでした。


あくまで、その当時のマーティンの技術を参考に、今に生きるプリウォーマーティンのようなギターを作ろうということだったのかもしれません。(あるいは単に権利関係の問題かもしれませんが)

 

余談ですが、このようなオールドの再現という分野では日本が先駆けなのかと思っていたのですが、これを書くにあたりきちんと調べてみたところ、76年には本家マーティンもHD-28というヘリンボーンパーフリングとスキャロップドブレイシングを採用したオールドライクなモデルを発表しているので、動きにそう大きな時間差はなかったのかもしれません。
あるいは、東海楽器の取り組みが本家に影響を与えたのでしょうか?

 

そんなCat's Eyesも、83年頃になるとラインナップを一新し、よりマーティンの各モデルのデッドコピーを目指したモデルを作るようになります。

世のフォークギター離れを受けての、経営のテコ入れだったのでしょう。

 

その中のひとつTCMシリーズは、オールドではなくその当時のマーティンのコピーで、TCM60は3ピースバックを持つ定価6万円のD-35モデルです。

 

同じくD-35モデルには定価13万円のTCM130があり、こちらはオール単板のフルコピーモデル、60の方はトップは単板ですがサイド・バックが合板の廉価モデルでした。

指板も130の方はエボニー、60はローズウッドです。

 

このギターは、自分が初めて手に入れたアコースティックギターです。
サイド・バックが合板だからイマイチなんてことはなく、とても良く鳴ります。

 

上位機種に比べると煌びやかさはなく、無骨な鳴りです。
かえってそれが好みだという人もいると思います。

 

廉価モデルでも一定のクオリティを維持しているというのは、ジャパンヴィンテージの良さの一つだと思います。

初めての一本やセカンドギターとして、Cat's Eyesの定価4万〜6万のモデルはとてもお勧めです。

 

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Fender Japan TL69-115 ('82)

 Fender Japan TL69-115
 Body:Rosewood
 Neck:Rosewood
 Fingerboard:Rosewood

 

木材の中でないが一番好きかと言われたら迷うことなくローズウッドと答えます。

 

うちにあるエレキギターはほとんどがローズウッド指板ですし(最近初めてメイプル指板のストラトを入手しました)、アコースティックギターは今のところすべてローズウッドのサイド・バックのものです。

 

ローズウッドの重厚な見た目と音がとても好きです。
綺麗な線が通った柾目も良いですし、ラリビーが使用するローズのようなゴマ目のものも良いです。

 

そんなローズウッド好きにとって究極のギターがこのAll Rose Telecasterではないでしょうか。

 

69年にビートルズがおこなった事実上最後のライブであるルーフトップ・コンサートでジョージ・ハリスンが弾いていたのが、ボディもネックもすべてローズウッドでできているテレキャスターでした。(正確には反り防止のためボディに薄いメイプルが挟んであります)

 

このギターは68年にフェンダーがジョージ・ハリスンにプレゼントしたプロトタイプで、レギュラーモデルは69年から72年まで生産されました。
レギュラーモデルはキース・リャーズなどが使用していたそうです。

 

また余談ですが、オールローズのストラトキャスターのプロトタイプも製作されており、それはジミ・ヘンドリックスに渡される予定だったのですが、その前にジミが死去したことにより叶わなかったそうです。

 

ジョージのプロトタイプとレギュラーモデルには以下の違いがあります。
・ジョージのはスパゲッティロゴだがレギュラーはトランジションロゴ
・ジョージのはスカンクストライプ無しの貼りローズ指板だが、スカンクストライプ有りのレギュラーはワンピースローズネック

 

ボディについては諸説ありましたが、2016年にフェンダーカスタムショップがトリビュートモデルを製作した際の最新情報によれば、ジョージのはチェンバードボディだったそうです。
レギュラーモデルも多くがチェンバードボディなのですが、ごく一部にソリッドボディのものがあるそうです。

わずか4年で生産が終了したため非常に生産数が少ないオールローズテレキャスターですが、このギターを最初に復刻したのは日本でした。

 

82年からスタートしたFender Japanは、TL69-115という定価11万5000円のモデルとしてオールローズテレキャスターをラインナップしました。
スペックはジョージ仕様ではなく、レギュラーラインと同様のトラロゴ、スカンクストライプ有りのチェンバーボディでした。

 

この記事を書くにあたってこの機種のモデルチェンジの変遷を調べてみたところ、思っていた以上に最近まで生産されていたようです。(とはいえもう20年前ですが)

・80年代前半 TL69-115
・80年代後半 TL69-98
・90年 TL69-900
・90年代前半 TL69-135
・90年代後半 TL69-150
オールローズはここまでで、その後TL-ROSEというモデルが出ましたがこれはスプルースボディのトップとバックにローズウッドを貼ったオールローズ風ギターでした。(ネックも黒く塗ったメイプル)

 

モデルチェンジを重ねつつもボディやネックの基本スペックは変わらず、違いはピックアップやペグ、ブリッジなどのハードウェアが主です。

塗装はグロス(艶あり)のものとサテン(艶消し)のものがあったようですが、どのモデルがどちらなのかはわかりません。(ジョージのはサテンフィニッシュだそう)

 

90年代に入ると本家フェンダー もカスタムショップでオールローズテレキャスターを復刻するようになりました。

上記の通り2016年にはジョージ・ハリスン仕様のトリビュートモデルが発売されましたが、これはなんと約200万というとても手が出せない価格でした。

2017年にはカスタムショップではないリミテッドモデルとしても1000本限定で発売されていたようです。(実は今知りました)
こちらは約35万円。

 

年々ローズウッドが希少になっていく中、2016にすべてのローズウッドがワシントン条約(CITES)の制限下におかれたことで、フェンダー ジャパンのオールローズテレキャスターの中古相場が一気に上がったように思います。

 

楽器業界が木材消費に占める割合はそれほど大きくないため、昨年には楽器がその制限から外れるかもしれないというニュースもあったのですが、どうなったのでしょうか。

 

いずれにしても、今後相場が上がることはあっても下がることはないように思います。
フェンダー ジャパンでも当時定価の3倍が相場となった今では、上記USAモデルはお買い得と言えるのではないでしょうか。
ジャパンと違ってちゃんとジョージ・ハリスン仕様ですし。

 

能書きが長くなりました。
我が家のオールローズテレキャスターは、82年製でネックプレートにJVシリアルを持つフェンダージャパン最初期のものです。

 

塗装はグロスフィニッシュで、指板も塗装されています。(普通ローズ指板は無塗装)
ペグはクルーソンタイプで、ヘッド裏に115のシールが貼ってあります。


ピックアップは当時のUSAのものが載っているため、テレキャスターでは珍しいグレイボビンです。
ストラトキャスター と違い、ピックアップカバーがないためボビンの色が目立ちます。

 

チェンバーボディとはいえ重量は結構重く、正確に測ったことはないのですが4.2kgくらいでしょうか。
正直、長時間弾いていると肩がこります。

 

オールローズは音が硬くカリカリなのではないかと思われがちですが、そこまでではありません。
意外に扱いやすいテレキャスターの音がします。

 

色々と書きましたが、オールローズテレキャスターはカッコいい。
最終的にはこれに尽きます。

 

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Martin D-35 ('68)

 D-35
 Top:Solid Sitka(?) Spruce
 Back&Side:Solid Brazilian Rosewood
 Neck:Mahogany
 Fingerboard:Ebony

 

Martinの中で、D-35は世間には中途半端な立ち位置のギターだと思われているかもしれません。

 

同じローズウッドのモデルには大定番のD-28と永遠の憧れD-45があり、違うサウンドを求めるのであればマホガニーのD-18があります。

 

マーティンのムック本などでもD-35はほとんど無視されているというのが正直なところ。

試しにGoogleで検索をかけてみたら、D-35の存在意義ってなんですか?なんて質問があったくらいです。

 

そんなD-35は、ブラジリアンローズウッド材の枯渇問題に端を発し、幅の狭い材を有効活用するために考えられたという、バックが3ピースのギターです。(大抵のアコースティックギターはセンター合わせの2ピース)

 

しかし、D-35はただ単にD-28のバックを変更しただけでのギターではありません。
ネックにもバインディングを付けたことや、ブレーシング(力木)の寸法が違うという特徴があります。

 

D-28と比べてブレーシングを薄くしたのは3ピース化による副産物だったのかもしれませんが、マーティン社がそれによる音の変化を狙ったことは間違いないと思います。
それによって、D-35はより繊細でウェットな音を持つギターになったのではないでしょうか。

 

断定ができないのは、自分自身でたくさんの28と35を弾き比べたわけではないからです。
でも、D-28の力強い音ともD-45の煌びやかな音とも違う、D-35の音に惹かれたミュージシャンが何人もいることは確かです。

 

60年代製のD-35は、サイドとバックにブラジリアンローズウッドが使用されています。
マーティン社では70年からブラジリアンローズに替わりインディアンローズウッドを使用するようになったため、60年代と70年代で中古市場価格に大きな開きがあります。

 

ブラジリアンローズとインディアンローズにどれくらい個体差ではない音の違いがあるのかは、これまた自分自身で何本も弾き比べたわけではないため正直わかりません。
それでも、やはり今では手に入らないギターというものにロマンを感じてしまうのは否定できません。(リミテッドモデルとしては存在しますが新品でもめちゃくちゃ高いのです)

 

そうは言っても価格差が大きすぎるため、現実的にはいずれ70年代のD-35を買おうと思い楽器店で時々試奏をしていた中で、このギターと出逢いました。


忘れもしないお正月真っ只中、インターネット上でギターをチェックしていたところ、相場からするとかなりのお買い得価格で68年製のD-35が出品されていました。
幸いその楽器店が足を運べる範囲にあったため、すぐさま試奏に向かいました。

 

ウェブにも記載されていたのですが外観はかなりボロボロで、至るところにウェザーチェックとクラックのリペア跡がありました。
サイドにはエレアコ化の際に開けたジャックの穴を埋め直した跡がありました。

 

でも、自分は外観のコンディションはあまり気になりません。
むしろ貫禄があって良いと思いますし、それで価格が安くなるならウェルカムです。
弾かれずに雑に扱われていたギターと、弾きこまれてボロボロになったギターの違いは見ればわかります。

このギターは明らかに後者でした。

 

弾いてみると、音の深さに驚きました。
大げさかもしれませんが、そのギターの辿ってきた歴史を感じる音でした。
70年代のD-28と弾き比べをして、どう考えてもこのD-35の方が深みのある音がすると思ったことを覚えています。

 

相場からするとお買い得とはいえ即決できるほど安い買い物ではなかったのですが、このギターを逃したら絶対に後悔すると思い決断しました。

 

入手後、アコースティックギターの調整でいつもお世話になっているアンフィニカスタムワークスにお願いしてオリジナルのコンタクトピエゾピックアップを取り付けエレアコ化し、主に弾き語りで使用しています。

このピックアップ、ライブハウスのPAさんからも好評です。

 

古くてボロボロな分、取り扱いがデリケートなギターではあるのですが、このギターのおかげで(というかこのギターのせいで)ヴィンテージギターの沼にはまってしまった、そんなきっかけのギターです。

 

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Kid's Guitar Rory Gallagher Stratocaster ('98)

 Kid's Guitar Rory Gallagher Stratocaster
 Body:Alder
 Neck:Maple
 Fingerboard:Rosewood

 

 

ブライアン・メイの話をしたら、次はあのギタリストの話をしないわけにはいきません。

 

みなさんは塗装の剥げたストラトキャスターを弾くブルースロックギタリストといえば誰を思い浮かべますか?

 

それは、ブライアン・メイのサウンドにも影響を与えたギタリスト、ロリー・ギャラガーです。

 

日本ではロリー・ギャラガーはもうひとつ知名度が高くないように感じます。

勿論、日本にもファンはたくさんいると思いますが、上記のような質問をしたら多くの人はスティーヴィー・レイボーンを思い浮かべるのではないでしょうか。

 

ロリー・ギャラガーはアイルランド出身、69年にテイストでデビューし、71年にソロデビュー。

72年に英メロディ・メーカー誌のギタリスト・オブ・ザ・イヤーでエリック・クラプトンを押さえトップの座に輝き、ローリング・ストーンズやディープ・パープルもメンバーチェンジの際に興味を示していたという逸話が残っています。

惜しくも95年に47歳の若さで亡くなりました。

 

ブライアン・メイのVOX AC30にトレブルブースターというスタイルは、初期のロリーのセッティングを参考に作られたことも有名です。

 

ロリーのトレードマークである塗装の剥げたストラトキャスターは61年製で、スラブボードと呼ばれる指板とネックが平らに貼り付けられているタイプのものです。

 

あの塗装の剥げは、盗難された際に雨にうたれた事が原因とする説が有力なようです。

盗難は67年頃だそうで、戻ってきたときにはボロボロになっていたとか、雨にうたれて塗装が弱くなっていたとか言われています。

70年のワイト島にテイストが出演した際の映像の時点ですでに塗装が大きく剥げていることが確認できますので、経年によるものではないことは確かです。

 

そんなロリーのストラトのトリビュートモデルはフェンダーカスタムショップから2005年に発売されているのですが、それから遡ること10年ほど前に日本でロリーギャラガーモデルのストラトを作っていたブランドがあります。

それが、前回も取り上げたKid's Guitarです。

 

このギターは98年製で、Kid'sとしては最後期のものです。

ちょうど、自分がアコースティックギターの弾き語りからステップアップして、エレキギターでバンドのギタリストとしてステージに上がろうというタイミングで出逢い、当時ロリー・ギャラガーにはまっていたこともあって一目惚れをしてしまいました。

 

このギターの製作者は木戸宏さんではなく、現Freedom Custom Guitar Research社長の深野真さんだそうです。(ご本人に確認をしました)

製作数は10本に満たないくらいだと伺いました。

 

写真からもかなりリアルなレリックが施されていることがわかるかと思います。

ヘッドにロゴがないのもロリーのギターを模しているそうで、ヘッド裏にはちゃんとKid's Guitarと記載されています。

 

ピックアップは今もフリーダムギターが取り扱っているVoodooのST-60s Blackが3基載っていたのですが、リアだけ72年シリアルのフェンダーピックアップに交換をしました。(ロリーのストラトも、どこかのピックアップが70sのものに交換されているとか)

 

併せてポットやコンデンサ、ジャックも一式交換。

せっかくのレリックではあったのですが、ノブや錆びさせたネジ類は交換。

ピックガードも新しく作り直しました。

 

また、ロリーのストラトのフレットはギブソンのものに変更されているという話を見たため、あえてジムダンロップなどではなくギブソンのミディアムジャンボタイプのフレットに打ち替えました。

 

それ以外にも、福山芳樹さんの72年ストラトを参考に、以下の改造を施しました。

・22フレット化

・ペグをスパーゼルトリムロックに変更

・トレモロユニットをGOTOHの510TSに交換

・ストラップピンをシャーラーのロックピンに交換

 

更に、ウルフトーン対策としてネックプレートをフリーダムのトーンシフトプレートに、バックパネルをブラスのものに(フリーダム特製)、トレモロスプリングをテンションの弱いRaw Vintage製に交換するなど、改造的は多数あります。

 

ネックがかなり細身で手の大きくない自分にも弾きやすいギターです。

鳴りが良く、元々ミッドレンジに寄った音だったのが、リアピックアップやコンデンサを変えたことでやや70年代のトレブリーな音に近づきました。

 

大好きなロリー・ギャラガーと福山芳樹さんのハイブリッドなこのギター。

22Fのストラトが必要なときはこのギターの出番だと思っています。

 

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