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Cat's Eyes CE-2500 ('82)

 Cat's Eyes CE-2500
 Top:Solid Yezo Spruce
 Back&Side:Solid Indian(?) Rosewood
 Neck:Mahogany
 Fingerboard:Ebony

 

前回に引き続きCat's Eyesです。

 

前回、プリウォーD-45モデルのCE-2500は厳密には完全再現ではなかったと書きました。
では、プリウォーマーティンのD-45のスペックはどのようなものだったのでしょうか。

 

プリウォーのD-45も時期によってスペックが異なり、一括りにはできませんが、おそらく東海楽器が参考にしただろうモデルの特徴的なスペックは以下の通りです。

 

・トーチインレイ(ヘッド)
・スノーフレークスインレイ(指板)
・スキャロップドのフォワードシフテッドXブレーシング
・ロングサドル

 

このうち、CE-2500は、ブレーシングとサドルに関しては、当時のマーティンのスペック(ノンスキャロップドのスタンダードXブレーシングとノーマルサドル)を採用しています。
これが、完全再現ではないという理由です。

 

カタログ上でプリウォーD-45モデルを謳いながら、何故このスペックを採用しなかったのかは謎です。

 

もしかしたら、現物を見たことがなくブレーシングについては分からなかったのかもしれませんが、ロングサドルは66年まで採用されていたので知らなかったということはないような気がします。

 

スノーフレークスインレイは12フレットが猫の目のような形をしており、これがキャッツアイの名前の由来となっています。

 

CEシリーズは12フレットのポジションマークがすべてキャッツアイになっており、ブランドのトレードマークと言えます。(これが、マーティンの◯◯モデルのコピーではないという理由のひとつです)

 

CE-2500はシリーズの最上位機種であり、フラッグシップモデルでした。(ただし、80年頃から3000も登場します)

 

スペックは時期によって若干異なるのですが、基本的に以下の通りです。

 

・トップはスプルース単板またはエゾ松単板
・サイド&バックはハカランダ単板またはローズ単板
・ネックはマホガニー
・指板、ブリッジはエボニー
・ヘッド、指板、ロゼットのインレイはメキシコ貝

 

サイド&バックは、80年まではハカランダ単板、81年からはハカランダ単板またはローズ単板とカタログに記載してあります。

 

ハカランダとは基本的にはブラジリアンローズウッドのことです。

D-35の記事で取り上げたように、材の不足からマーティンは70年には使用を止めてインディアンローズに移行しましたが、国産ギターには80年くらいまではハカランダが使われていました。

 

一部の古い国産アコースティックギターは、このハカランダのせいで中古市場価格が当時定価を大きく上回ることもあります。

 

しかし、このハカランダという表記の仕方が問題です。
ハカランダというのは、厳密に言うとブラジリアンローズウッドだけを指すのではなく、それを含む中南米産のローズウッドを指す通称なのだそうです。

 

ですから、ブラジリアンローズウッド以外にも、ココボロやホンジュラスローズウッドなどもハカランダと言えるのです。(ギター業界ではこのあたりをニューハカランダという名称で区別することもあるようですが)

 

マーティンはギターの材にハカランダという名称を用いてはいないはずです。
何故、日本のギターブランドはブラジリアンローズウッドではなくハカランダという名称を用いたのでしょうか。

 

果たして、70年代の国産アコースティックギターのハカランダはすべてブラジリアンローズウッドだったのでしょうか?

 

もう一つ、この時期に日本で使われているハカランダは板目のものがほとんどです。


ギターに使われる木材は元々柾目が多く、よく聞く「ハカランダの板目はワイルドで魅力」という話は、材が少なく板目を使わざるを得ない状況になって出てきた話だと思います。(これは柾目と板目の材の良し悪しとは別の話です)

 

そんな理由もあり、個人的には70年代の国産ギターのハカランダにはあまり良い印象がありません。

 

実際に80年以前のハカランダが使われているCE-2000を弾いたことがあるのですが、鈴鳴りではあるものの音が硬く冷たいように感じられてあまり好みではありませんでした。(勿論、個体差や個人の好みはあります)

 

このCE-2500は82年製で、サイド&バックはインディアンローズウッドだと思います。
トップは見た感じスプルースではなくおそらくエゾ松です。

 

そして、ここがポイントなのですが、スキャロップドブレーシングとロングサドル仕様になっています。

 

実は当時のキャッツアイはカスタムオーダーも多かったようで、オプションにも柔軟に対応してくれたようです。

 

このギターはそんなカスタムオーダー品で、よりプリウォーD-45のスペックに近づけたものということになります。

 

ただし、いつもお世話になっているアンフィニカスタムワークスに調整に出した際に伺った話では、ブレーシングのスキャロップはマーティンのものとはちょっと違うそうです。

 

ドレッドノートらしく低音がしっかり響き、高音の煌びやかさもあります。

 

狙っている音が違うということもありますが、前回のTCM-60と弾き比べるとやはり上位機種なだけあるなと感じます。

 

本家D-45の代用になるとは言いませんが、D-45ライクなギターとして、ルックスも音の面でも東海楽器の技術が詰まったクオリティの高いギターです。

 

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