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Martin D-35 ('68)

 D-35
 Top:Solid Sitka(?) Spruce
 Back&Side:Solid Brazilian Rosewood
 Neck:Mahogany
 Fingerboard:Ebony

 

Martinの中で、D-35は世間には中途半端な立ち位置のギターだと思われているかもしれません。

 

同じローズウッドのモデルには大定番のD-28と永遠の憧れD-45があり、違うサウンドを求めるのであればマホガニーのD-18があります。

 

マーティンのムック本などでもD-35はほとんど無視されているというのが正直なところ。

試しにGoogleで検索をかけてみたら、D-35の存在意義ってなんですか?なんて質問があったくらいです。

 

そんなD-35は、ブラジリアンローズウッド材の枯渇問題に端を発し、幅の狭い材を有効活用するために考えられたという、バックが3ピースのギターです。(大抵のアコースティックギターはセンター合わせの2ピース)

 

しかし、D-35はただ単にD-28のバックを変更しただけでのギターではありません。
ネックにもバインディングを付けたことや、ブレーシング(力木)の寸法が違うという特徴があります。

 

D-28と比べてブレーシングを薄くしたのは3ピース化による副産物だったのかもしれませんが、マーティン社がそれによる音の変化を狙ったことは間違いないと思います。
それによって、D-35はより繊細でウェットな音を持つギターになったのではないでしょうか。

 

断定ができないのは、自分自身でたくさんの28と35を弾き比べたわけではないからです。
でも、D-28の力強い音ともD-45の煌びやかな音とも違う、D-35の音に惹かれたミュージシャンが何人もいることは確かです。

 

60年代製のD-35は、サイドとバックにブラジリアンローズウッドが使用されています。
マーティン社では70年からブラジリアンローズに替わりインディアンローズウッドを使用するようになったため、60年代と70年代で中古市場価格に大きな開きがあります。

 

ブラジリアンローズとインディアンローズにどれくらい個体差ではない音の違いがあるのかは、これまた自分自身で何本も弾き比べたわけではないため正直わかりません。
それでも、やはり今では手に入らないギターというものにロマンを感じてしまうのは否定できません。(リミテッドモデルとしては存在しますが新品でもめちゃくちゃ高いのです)

 

そうは言っても価格差が大きすぎるため、現実的にはいずれ70年代のD-35を買おうと思い楽器店で時々試奏をしていた中で、このギターと出逢いました。


忘れもしないお正月真っ只中、インターネット上でギターをチェックしていたところ、相場からするとかなりのお買い得価格で68年製のD-35が出品されていました。
幸いその楽器店が足を運べる範囲にあったため、すぐさま試奏に向かいました。

 

ウェブにも記載されていたのですが外観はかなりボロボロで、至るところにウェザーチェックとクラックのリペア跡がありました。
サイドにはエレアコ化の際に開けたジャックの穴を埋め直した跡がありました。

 

でも、自分は外観のコンディションはあまり気になりません。
むしろ貫禄があって良いと思いますし、それで価格が安くなるならウェルカムです。
弾かれずに雑に扱われていたギターと、弾きこまれてボロボロになったギターの違いは見ればわかります。

このギターは明らかに後者でした。

 

弾いてみると、音の深さに驚きました。
大げさかもしれませんが、そのギターの辿ってきた歴史を感じる音でした。
70年代のD-28と弾き比べをして、どう考えてもこのD-35の方が深みのある音がすると思ったことを覚えています。

 

相場からするとお買い得とはいえ即決できるほど安い買い物ではなかったのですが、このギターを逃したら絶対に後悔すると思い決断しました。

 

入手後、アコースティックギターの調整でいつもお世話になっているアンフィニカスタムワークスにお願いしてオリジナルのコンタクトピエゾピックアップを取り付けエレアコ化し、主に弾き語りで使用しています。

このピックアップ、ライブハウスのPAさんからも好評です。

 

古くてボロボロな分、取り扱いがデリケートなギターではあるのですが、このギターのおかげで(というかこのギターのせいで)ヴィンテージギターの沼にはまってしまった、そんなきっかけのギターです。

 

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